核情報

2012. 5.13 〜

世界の核分裂性物質の量と民生用再処理

最新情報などは核データのページから

  1. 世界の核分裂性物質の量
  2. 世界における再処理計画の遺産
  3. 各国の現在の再処理政策
  4. 国際プルトニウム管理指針と公表データ
  5. 日本のプルトニウム保有量
  6. 原子炉級プルトニウムで核兵器ができるとの結論


世界の核分裂性物質の量

2012年1月現在、世界全体で存在する高濃縮ウラン(HEU)の量は、約1440トンと推定されている。分離済みプルトニウムの量は、約500トンである。大まかに言って、この半分が核兵器用に生産されたもので、残り半分が民生用原子力計画で生産されたものである。

 (詳細は、2011年IPFM報告を参照)


 高濃縮ウラン
トン
核兵器プルトニウム
トン
原子炉級プルトニウム
トン
ロシア73712848.4
米国61091.90
フランス30.6656.0
中国161.80.01
イギリス21.27.687.7
パキスタン2.750.140
インド2.00.50.24
イスラエル0.30.82-
北朝鮮 0.03-
ドイツ -7.6
日本 - 44.9
スイス -<0.05
ベルギー -<0.05
その他20.0 -10.7
合計1440241256

米国及び英国の兵器用プルトニウムの数字は、公式データに基づいている。民生用プルトニウムのほとんどの数字は、IAEAに対する申告に基づいている。他の数字は、非政府筋の推定で、大きな不確実性を伴うことが多い。高濃縮ウランの量は、90%濃縮ウラン等量。詳細は、各国についての記述を参照。

軍事用核分裂性物資の生産が続いているのは、インド(プルトニウムと海軍の推進力用高濃縮ウランの生産)、パキスタン(核兵器用にプルトニウムと高濃縮ウランを生産)、イスラエル(プルトニウムを生産と考えられている)。北朝鮮も、兵器級プルトニウムの生産能力を持つ。

フランス、ロシア、英国、日本、インドは、発電用原子炉の使用済み燃料からプルトニウムを分離する民生用再処理施設を持っている。中国は、パイロット再処理施設を建設中。

11ヶ国−−ロシア、米国、フランス、英国、ドイツ、オランダ(これら3か国は、URENCO加盟)、日本、ブラジル、インド、パキスタン、イラン−−が、ウラン濃縮施設を運転している。


世界における再処理計画の遺産

世界における再処理計画の遺産
(軍事用と同量の民生用分離済みプルトニウム 核兵器が何万発もできる量)
世界における再処理計画の遺産

各国の現在の再処理政策

各国の現在の再処理政策
再処理中又は計画中の国
(発電容量にしめる割合%)
(GWe, [109 Watts])
顧客国で再処理を中止した国、中止を計画している国
(GWe)
再処理をしたことのない国
(GWe)
中国 (20%) 11.7アルメニア (露で)0.4アルゼンチン 0.9
フランス(85%) 63.1ベルギー (仏)5.9ブラジル 1.9
インド (≈50%) 4.4ブルガリア (露)1.9カナダ 12.6
日本 (100% 計画) 44.2チェコ (露)3.7イラン 0.9
オランダ (仏) 0.5フィンランド (露)2.7メキシコ 1.3
ロシア (10%) 23.6ドイツ(英仏) 13.1パキスタン 0.7
ウクライナ (5%露で) 13.1ハンガリー (露) 1.9ルーマニア 1.3
英国 (90%, 軽水炉除) 9.9スロバキア (露) 1.8スロベニア 0.7
英国、それに恐らくオランダと
ウクライナ
は、再処理を停止予定。
フランスと日本の再処理の将来は不確か
スペイン(英仏) 7.6南ア 1.8
スウェーデン (英仏) 9.3韓国 18.7
スイス (英仏) 3.3台湾 5.0
 米国 (1972以来) 101.1
合計 (65%) 170.5合計 52.6合計 146.6


国際プルトニウム管理指針と公表データ

1997年、米、露、英、仏、中、日、独、ベルギー、スイスの9ヶ国が、民生用分離済みプルトニウムの量を「国際原子力機関(IAEA)」に共通の書式で報告することを決めた。1998年3月16日、国際原子力機関(IAEA)がこの「プルトニウム管理指針」をINFCIRC/549(英文pdf)2009年修正英文pdf)(JAEA仮訳)として発表。以後、これらの国々のプルトニウム保有量は、INFCIRC/549文書として毎年IAEAに報告されている。下のIAEA文書集に収められている

Information Circulars Documents Numbers 501 - 550のINFCIRC/549/Addというのが頭に付いた文書が参加各国の各年の報告。

549参加国の民生用分離済み未照射プルトニウム


日本国内の未照射プルトニウム


出典

参考

原子炉級プルトニウムで核兵器ができる:論文リスト(抜粋付き)

  • MOX燃料輸送と核拡散─原子炉級プルトニウムでできる核兵器(『軍縮問題資料』 1999年5月号より)

    *原子炉級では核兵器はできないとの神話形成において中心的な役割を果たした今井隆吉氏の発言についての説明のほか、以下の引用を含む

    • ロスアラモス国立研究所のロバート・セルデン氏が1976年に開いた「原子炉級プルトニウムと核爆発装置」と題された説明会の結論。使用された資料(英文、訳文)

      [原子炉級プルトニウムに含まれる]プルトニウム240は原子炉では明らかにまったく望ましくない。・・・見落とされているのは、高速中性子による分裂システムでは、プルトニウム240はまったく問題がないという点である。」失敗の場合でも「1キロトン」(破壊半径は、広島の場合の3分の1から2分の1)

    • 「国際原子力機関(IAEA)」のハンス・ブリックス事務局長(当時)が1990年に核管理研究所に送った書簡での結論。

      当機関は、高度燃焼の原子炉級プルトニウム、それに、一般にいかなる同位体組成のプルトニウムも・・・核爆発装置に使うことができると考える。当機関の保障措置部門にはこの点に関して論争はまったくない。

    • ロスアラモス国立研究所の理論部の部長を47年から72年まで務めたカーソン・マークが1993年に発表した「原子炉級プルトニウムの爆発特性」(『科学と世界の安全保障』誌)Explosive properties of reactor‐grade plutonium
      Science & Global Security: The Technical Basis for Arms Control, Disarmament, and Nonproliferation Initiatives Volume 4, Issue 1, 1993 (pdf)
      の解説とマークの結論

      簡単なタイプの効果的な設計を開発する難しさは、原子炉級プルトニウムを使った場合も、兵器級プルトニウムを使った場合に直面するものと比べそれほど大きくない。

  • Management and Disposition of Excess Weapons Plutonium

    *米国科学アカデミー報告書(1994年

    Calculations demonstrate, however, that even if pre-initiation occurs at the worst possible moment (when the material first becomes compressed enough to sustain a chain reaction), the explosive yield of even a relatively simple device similar to the Nagasaki bomb would be of the order of one or a few kilotons.

    While this yield is referred to as the "fizzle yield", a 1-kiloton bomb would still have a radius of destruction roughly one-third that of the Hiroshima weapon, making it a potentially fearsome explosive.

    早発が最悪の時点(連鎖反応維持できるのに十分な程度に初めて圧縮された時)に起きたとしても、長崎原爆に似た比較的単純な装置でも、爆発の威力は1キロトンあるいは数キロトンとなるだろう。この威力は、『フィズル威力』と呼ばれるが、1キロトンの爆弾の破壊半径は、広島型爆弾の約3分の1であり、恐ろしい爆発物となりうる

  • Reactor-Grade and Weapons-Grade Plutonium in Nuclear Explosives (pdf)

    *米国エネルギー省1997年1月の文書

    "In short, reactor-grade plutonium is weapons-usable, whether by unsophisticated proliferators or by advanced nuclear weapon states. Theft of separated plutonium, whether weapons-grade or reactor-grade, would pose a grave security risk."

    結論を言うと、原子炉級プルトニウムは、洗練されていない核拡散者であると先進核兵器国であるとにかかわらず、核兵器に利用することができる。分離済みプルトニウムの盗取は、それが兵器級であれ原子炉級であれ、深刻な安全保障リスクをもたらす。

  • 原発のプルトニウムで核兵器は出来ない?──文科省vs両鈴木氏

    鈴木篤之(元日本原子力研究開発機構理事長)・鈴木達治郎(元原子力委員会委員長代理)両氏が、東京大学在職時に韓国出身の科学者姜政敏(カン・ジョンミン)氏(東京大学で原子力工学博士号取得)らと日本原子力学会の英文誌2000年8月号に発表した論文で以下のように結論。


    図3 6kgのRGPuとWGPuの爆発特性(中性子発生時間 10 - 8秒)

    プルトニウムの同位体組成の劣化は、その核拡散抵抗性を若干高めることはできる。これは、原子炉級プルトニウム(RGPu)の自発核分裂による中性子、ガンマ線、熱の発生率の高さが、核兵器の設計や製造を複雑化するからである。しかし、米国エネルギー省は、基本的にいかなる組成のプルトニウムも核兵器の製造に使うことが出来ると述べている。それは以下のように確認できる。

    プルトニウムの爆発特性は、マークの論文(*注)に良く説明されている。原子炉級プルトニウム(RGPu)と兵器級プルトニウム(WGPu)の同位体組成を表7に示す。図3は、RGPuとWGPuの爆発特性を示している。表8に示された自発的核分裂中性子の発生率に基づくものである。図3においては、爆発出力の割合を示した横軸の値1.0は、核分裂性物質1キログラム当たりTNT火薬にして20キロトンという基準出力を示している。トリニティーの原爆で使われた比較的遅い圧縮時間10- 5秒を使った場合でも、粗野なつくりの原爆で、TNT火薬にして数百トン(つまり、20kt x 0.027=0.5kt)の最低限出力が得られる。この点ではRGPuとWGPuとの間に差はない。だが、同じ圧縮時間(10- 5秒)を使った場合、早発(predetonation)の累積確率を同じ値でそろえて比べると、RGPuとWGPuの間の爆発出力の違いは相当なものになりうる。しかし、もっと進んだ現在の兵器設計を使って圧縮時間を短縮すると、RGPuは、WGPuに匹敵する爆発出力を持つことができる。


  • 日本・核兵器・原子炉級プルトニウム

    *マサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学者マービン・ミラーが米国の民間団体『核管理研究所(NCI)』のセミナーで行った報告の原稿。(2002年3月27日)

    私の結論は、日本は、その原子炉級プルトニウムを使って信頼性のある高い威力の核兵器を作ることができるが、他の核分裂性物質のストックを使うこともできる、というものである。技術的観点からいえば、日本は、潜在的核保有国である。

  • 日本のプルトニウム・プログラムは、核拡散防止体制を脅かすとノーベル賞受賞者らが警告
    六ヶ所使用済み燃料再処理工場の運転を無期限に延期することによってNPTを強化するようにとの日本への要請 (2005年5月5日

    いろいろ間違ったことが言われているが、テロリストも、民生用のプルトニウムを使って強力な核兵器─少なくともTNT火薬換算で1000トン(1キロトン)の破壊力を持つもの─を作ることができる。


  • 核爆発装置における原子炉級プルトニウムの有用性 (2015年11月6日 於東京)
    ブルース・T・グッドウィン(ローレンス・リバモア国立研究所国家安全保障・政策研究担当統統合副所長)
    ロバート・セルデンの著述を元に

    “第一世代の核兵器に使われたものと同程度の設計及び技術を使った潜在的核拡散国家又は国家レベル以下の集団は、1キロトン又は数キロトンの威力を確実かつ信頼性のある形で生みだす(そして恐らくはそれよりも相当高い威力を生み出す)核兵器−−を原子炉級プルトニウムを使って作ることができる。” *

    “米国やロシアのような進んだ核兵器国は、新型の設計を使うことによって、兵器級プルトニウムから作られた核兵器とほぼ同等の信頼できる威力、重さ、その他の特性を持った核兵器を原子炉級プルトニウムから作ることができる。” *

    * 以下より引用: US Department of Energy Publication “Nonproliferation and Arms Control Assessment of Weapons-Usable Fissile Material Storage and Excess Plutonium Disposition Alternatives, January 1997 http://www.osti.gov/scitech/biblio/425259


  • 六ヶ所再処理工場の製品で核兵器ができることを示す米国文書──1977年日米再処理交渉関係カーター図書館文書類
  • 「憂慮する科学者同盟(UCS)」エドウィン・ライマン博士六ヶ所問題ツアー関連論文類
  • ウランとプルトニウムの混合酸化物のIAEA保障措置上の扱い
  • 原子炉プルトニウムと核爆発装置 ロバート・セルデン(ロスアラモス国立研究所) (1976年11月)
    Reactor Plutonium and Nuclear Explosives ─ Robert W. Selden
    米国科学振興協会(American Association for the Advancement of Science; AAAS)のCenter for Science, Technology and Security Policy と Nonproliferation Policy Education Center(ヘンリー・ソコルスキー所長)共催の会合(2009年5月12日)でセルデンが使った注入りのものの訳、原文》

    各ページの注⇒ 1

    このブリーフィングは、元は、1976年11月に数カ国の原子力計画及び国際原子力機関(IAEA)の代表等に対するプレゼンテーションのために準備したものである。

    4

    「発電用原子炉級」プルトニウム、「兵器級」プルトニウムという言葉で何を意味するのか定義することが重要である。原子炉内の照射時間、原子炉の種類、その他の要因によってさまざまな同位体組成が可能である。ここで示されている同位体組成は、典型的なもので、議論全体を通して良い具体例となる。「発電用原子炉級」プルトニウムは、原子炉の最も効率的な運転の結果得られるものである。「兵器級」プルトニウムは、ずっと効率の悪いもので、プルトニウム239の含有率を高くするために選ばれる。

    5

    この図は、前のページの言葉による説明の内容を表している。プルトニウムの組成の変化が原子炉の炉心における中性による照射時間の関数として示されている。典型的な兵器級プルトニウムと原子炉級プルトニウムとでは照射時間がどれほど違うかに注意。

    7

    裸の球体の臨界質量は、爆発装置における使用の可能性に関して、さまざまな物質の核分裂特性を比較する際の良い指標となる。裸の球体は、高速の(即発)中性子のみが核分裂を起こすことを意味する。これは、原子炉とは異なる。原子炉では、中性子が水のような「減速」材と衝突してその速度を下げる。これは、遅い(熱)中性子による分裂過程の方がずっと効率的だからである。しかし、遅い中性子は、爆発装置にとっては遅すぎ、核爆発においてはほとんど役割を果たさない。
    この表は、原子炉級プルトニウムの臨界質量は兵器級プルトニウムの場合よりわずかに大きいだけであり、どちらも、核爆発装置において広く使われている高濃縮ウランよりずっと小さいことを示している。

    10

    この図は、それぞれのプルトニウム同位体の核分裂パフォーマンスを入射中性子エネルギーの関数として示している。縦軸は、「反応率」と呼ばれる良い性能指数を示している。横軸は、入射中性子を示している。図の左側に位置するのは原子炉で典型的な(「熱」中性子、あるいは「遅い」中性子の)中性子エネギーである。右側に位置するのは、核分裂している核から直接出てくる中性子のエネルギーで、核爆発に際に存在する中性子エネルギーの代表的なものである。二つの破線の曲線は、これらの二つの分布を示している。
    この図から得られる二つの重要な結論がある。第一は、ほとんどすべての核分裂性同位体は、熱中性子(低速中性子)の方が、高速中性子よりずっと反応率が高いということである。原子炉を臨界状態にするのに必要な核分裂性物質の質量が爆発を起こすのに必要な質量よりずっと小さいのはこのためである。第二の結論は、プルトニウム240は原子炉では役に立たないが、核爆発においては問題ないということである。だから、プルトニウム240は、核爆発装置での使用に関しては、プルトニウムを「変性」させないのである。

    11

    この図から二つの結論を得ることができる。第一は、すべてのプルトニウム同位体は放射能を持ち、取り扱いに注意を要するということである。第二は、ウランの放射能はプルトニウムの放射能よりずっと小さいということである。

    12

    放射能と取り扱いに必要なことの詳細は複雑である。このブリーフィングの目的から言うと、原子炉級プルトニウムの放射能及び発熱を兵器級プルトニウムのものと比べれば十分である。このページでは、それを行っている。
    結論は、新しいプログラムによって、どちらの物質でも扱える施設を建設することは可能であり、これらの施設は、核兵器級プルトニウムのために作られた施設とそれほど違わないと言うものである。しかし、産業における労働者への被曝線量を増やすことはまったく認められないと想定して正しいであろう米国のプログラムのような場合、原子炉級プルトニウムに変えることは相当の製造コストが伴うことになる。

    17

    この結論は、N番目の国[次の核保有国]が選ぶであろうコースを予言することを意図したものではない。実際、核爆発装置設計者はプルトニウム240の含有率を最小限にすることを望むだろう。しかし、原子炉級プルトニウムを使うことによる幾分大きな複雑さよりも他の要因が重要となるかもしれず、この結論の意図は、原子炉級プルトニウムを使って完全に信用できる核爆発装置を作ることができることを証明することにある。

    18

    これまでの議論で、すべてのプルトニウム同位体は核爆発装置で機能する核分裂性物質であり、従って、プルトニウムの場合、[核爆発装置に使うためには]同位体分離が必要となるようにしてしまう方法はないことを示した。しかし、ウランの場合、使うためには同位体分離が必要となる場合がある。ウラン238は核分裂爆発装置のための臨界質量を持ち得る核分裂性物質ではない。だから、核爆発装置用の核分裂性物質を作るには、わずかな割合しか存在しない核分裂性同位体ウラン235をウラン238から分離しなければならない。

    19

    この図は、ウラン238による希釈が、ウラン235、ウラン233、および、プルトニウム239の裸の即発球状臨界質量に与える影響を示している。臨界質量が数百キログラムのレベルとなると、その物質はあまりにも非実際的で使用不能となる。どちらのウランの同位体も回収するには同位体分離が必要となるが、プルトニウムを回収するのに必要なのは化学的分離だけであることに留意することが重要である。

    20

    酸化プルトニウムは、原子炉の燃料の再処理が行われた場合に発生する。酸化プルトニウムは、完全な結晶密度近くまで圧縮することができ、この状態では、ウラン235よりも小さな即発臨界質量を持つ。しかし、粉末としては、その臨界質量は相当大きく、粉末は取り扱いの難しい材料である。プルトニウムを回収するために化学処理が行われる可能性が高い。なぜなら、この化学処理は比較的単純だからである。

    21

    核分裂性物質に「毒を与えpoison」核爆発装置の製造に使えなくするような物質があるのではという期待がある。多くの同位体は低エネルギー中性子を吸収し、実際に核分裂性物質に「毒を与えpoison」、この中性子吸収材を除去する化学処理をしないかぎり原子炉で使えなくしてしまう。しかし、高速中性子に関してこれができる同位体は存在しない。
    表は、酸化プルトニウムの酸素を理論的にすべてボロン10−−得られる最高の中性子吸収材−−で置換すると、その裸の即発球状臨界質量がどうなるかを示している。

    22

    このブリーフィングの目的は、いかなる「等級」のプルトニウムでも、信用できる核爆発装置のための核分裂性物質として使えることを説明することにある。
    このブリーフィングは、元は、1976年11月に数カ国の原子力計画及び国際原子力機関(IAEA)の代表等に対するプレゼンテーションのために準備したものである。




    notes for slides⇒ 1

    This briefing was originally prepared for presentation in November 1976 to representatives from nuclear power programs in several countries and from the International Atomic Energy Agency.

    , 4

    It is important to define what we mean by “power reactor grade” plutonium and by “weapons grade” plutonium. A wide variety of isotopic compositions are possible depending on the exposure time in the reactor, the type of reactor, and other factors. The compositions shown here are typical and will serve as good illustrative examples throughout the discussion. The “power reactor grade” Pu is the result of the most efficient operation of the reactor. The “weapons grade” Pu production is far less efficient, and is chosen to have a high content of the Pu-239 isotope.

    , 5

    The words on the last chart are illustrated in this graphic, which shows the isotopic changes in the plutonium as a function of the time of exposure to neutrons in the core of the reactor. Note how different the exposure times are for typical weapons grade Pu versus the reactor grade Pu.

    , 7

    The critical mass of a bare sphere provides a good reference for comparison of the fissile properties of various materials for possible use in an explosive. The bare sphere means that only the fast, or prompt, neutrons will be causing the fissions. This is different from a reactor, where the neutrons collide with a “moderating” material like water to slow them down. The reason for this is that the fission process is far more efficient for slow (or thermal) neutrons. But slow neutrons are too slow for an explosive, and they play very little role in a nuclear explosion.
    This chart shows that the critical mass of reactor grade Pu is only slightly larger than weapons grade, and both are much smaller than highly enriched uranium, which has been extensively used in nuclear explosives.

    , 10

    This chart illustrates the fission performance of the Pu isotopes as a function of the incident neutron energy. The vertical axis plots a good figure of merit called “Reactivity” on the chart. The horizontal axis plots the incident neutron: the left side of the chart has neutron energies that are representative of those in reactors (“thermal” or “slow”); the right side of the chart has neutron energies that emerge directly from a fissioning nucleus, and are representative of those that exist in a nuclear explosion. The two dashed curves show these two distributions.
    There are two important conclusions to draw from this chart. The first is that almost all the fissile isotopes are much more reactive for thermal or slow neutrons than they are for fast neutrons. This is why the mass of fissile material needed to make a reactor critical if very much smaller than the mass needed for an explosion. The second conclusion is that Pu-240 is not helpful in a reactor, but that it is fine for a nuclear explosion. So, Pu-240 does not “denature” Pu for use in a nuclear explosive.

    , 11

    Two conclusions should be drawn from this chart. The first is that all plutonium isotopes are radioactive, and will require handling precautions. The second is that the radioactivity of uranium is far less than that of plutonium.

    , 12

    The specifics of the radioactivity and what is required for handling are complex. For purposes of this briefing, it is sufficient to compare the radioactivity and heat generation of reactor grade plutonium with weapons grade plutonium. This chart does that.
    The conclusion is that a new program could construct facilities that would be able to handle either material, and these facilities would not be significantly different from facilities constructed for weapons grade plutonium. For a program like the US program, however, where it is likely correct to assume that the radiation doses to workers in the industry would not be allowed to increase at all, then there would be significant production costs associated with changing to reactor grade plutonium.

    , 17

    This conclusion is not intended to predict the course that any Nth Country would choose. In fact, it is likely that a nuclear explosives designer would prefer to minimize the Pu-240 content. However, other factors may outweigh the somewhat greater complexity of using reactor grade plutonium, and this conclusion is intended to prove that an entirely credible nuclear explosive can be constructed using reactor grade plutonium.

    , 18

    The preceding discussion have shown that all plutonium isotopes are fissile materials that will work in nuclear explosives, thus there is no way to ensure that isotope separation would have to be used for plutonium. Uranium however may require isotope separation to be useful. The uranium 238 isotope is not a fissile material that will produce a critical mass for a fission explosive, so the tiny fraction of the fissile U-235 isotope has to be separated from the U-238 to produce a fissile material for a nuclear explosive.

    , 19

    This chart illustrates the affect of dilution with U-238 on the prompt bare sphere critical mass of: U-235; U-233; and Pu-239. When the critical masses get up into the range of several hundred kilograms the material is so impractical that it is not useable. It is important to note that isotope separation would be necessary to recover either isotope of uranium, but that only chemical separation would be required to recover the Pu.

    , 20

    Plutonium oxide appears in the reactor fuel where reprocessing is involved. Plutonium oxide can be compressed to near its full crystalline density, and in this condition has a prompt critical mass that is smaller than uranium-235. As a powder, however, its critical mass is considerably larger, and the powder is a difficult material to handle. It is likely that chemical processing would be done to recover plutonium as a metal since this chemical process is relatively straightforward.

    , 21

    There has been the hope that there is some material which will “poison” a fissile material so that it cannot be used to build a nuclear explosive. Many isotopes absorb low energy neutrons and will indeed “poison” a fissile material so that it cannot be used in a reactor without chemical processing to remove the neutron absorbing material. But there are no isotopes that will do this for fast neutrons.
    The table above shows what happens to the prompt bare sphere critical mass of plutonium oxide by theoretically replacing all the oxygen atoms with boron-10 atoms ─ the best neutron absorber available.

    , 22

    The purpose of this briefing is to explain that any “grade” of plutonium can be used as the fissile material for a credible nuclear explosives program.
    This briefing was originally prepared for presentation in November 1976 to representatives from nuclear power programs in several countries and from the International Atomic Energy Agency.



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