2016年02月09日

再処理の認可法人設立法案提出──見当外れのお題とシュールな答え

2月5日、再処理事業の実施主体として認可法人(使用済燃料再処理機構)を設立し、この法人に「再処理等に必要な資金を新設する認可法人に拠出することを原子力事業者に対して義務付ける「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案」(再処理等拠出金法案)が閣議決定され、国会に提出されました。前日開かれた国会エネルギー調査会(準備会)第54回(2016年2月4日)「核燃料サイクル政策に柔軟性を〜再処理実施体制見直し法案を問う〜」でこの法案について「核情報」がコメントした際の資料を紹介します。

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2016年01月28日

再処理経済性問題英国専門家論文訳出

先に紹介した「核分裂性物質に関する国際パネル(IPFM)」の報告書『原子力計画におけるプルトニウムの分離──世界の民生用再処理の現状、問題点と今後の展望』(2015年7月)第10章「核変換」に加えて11章「経済性」を訳出し掲載しました。

再処理の永遠化を目指す「使用済燃料再処理機構」設立法案が国会に提出されようとしている今、示唆に富む論文です。主著者はゴードン・マッケロン(英国政府「放射性廃棄物管理委員会(CoRWM)」の創設委員長[2003~2007年])。

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2016年01月12日

日本のプルトニウムお断り─サウスカロライナ州も怒る「不条理劇」

『サウス・カロライナ州の世界に向けたメッセージ──「ノー・モアー・プルトニウム」』と題された社説が新年早々同州地方紙に掲載されました。1月2日のこの社説は、米国エネルギー省が昨年12月末に「外国の国々から最大900kgのプルトニウムを最終処分までの間の貯蔵・処理のためにサウス・カロライナ州のサバンナ・リバー・サイト(SRS)に搬入しても重大な影響はないとの結論」を発表したのを受けてのことです。「結論」は、東海村の「高速炉臨界装置(FCA)」に警備体制の不十分な形で置かれている331kgのプルトニウムを3月末にワシントンで開かれる核セキュリティー・サミットの前にSRSに運び込むことを可能にするためだと見られています。このプルトニウムの日本からの搬出に関する日米合意が、前回のサミットで発表された主要成果の一つだったからです。

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2015年12月28日

再処理すれば核のゴミは減る? 米専門家の論文掲載

日本政府は「高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から」再処理を推進するのだと強調しています。再処理で得たプルトニウムを混合酸化物(MOX)燃料にして軽水炉で使った後の使用済みMOX燃料を処分場に入れれば、その発熱量のため処分場の面積は削減されません。プルトニウムを増やすはずの高速増殖炉をプルトニウムやウランより重い長寿命の超ウラン元素を燃やして減らすために使えばどうなるか。高速炉を1基導入すればたちどころにプルトニウムや超ウラン元素が消えてなくなるわけではありません。


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2015年12月21日

再処理実施主体としての認可法人設立案─「再処理は永遠に不滅です」

総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)原子力小委員会のワーキングループが再処理事業の実施主体として、国の監督権の及ぶ「認可法人」を新たに電力会社に設立させようという中間報告案をまとめ、2015年12月4日から2016年1月5日までの予定でパブリックコメントを募集しています。2016年4月からの電力市場における小売の参入全面自由化に備え、競争激化の中でも再処理が進められるよう再処理会社を国有化するとの案も一時出ていましたが、主として電力会社の出資で設立されている民間会社日本原燃に新認可法人が再処理を委託するという折衷案となりました。

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2015年11月13日

日本のプルトニウム保有量データの混乱──世界が注目するなか

長崎のパグウォッシュ会議や米国の専門家らを招いた東京のシンポジウムで日本のプルトニウム政策が注目されていますが、日本はそのプルトニウム保有量について明確に説明することもできないでいます。2014年から15年にかけての同委員会事務局の説明の矛盾についてまとめた文章「日本の分離済みプルトニウム増加の謎」を「2014年末の日本のプルトニウム0.7トン増え、47.8トンに」の参考の項に追加しました。

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2015年11月11日

「パグウォッシュ会議」参加者らが首相に再処理中止要請

長崎市で11月1-5日に開かれたノーベル平和賞受賞団体「科学と国際問題に関するパグウォッシュ会議」に参加した科学者ら31人が6日、安倍晋三首相に日本におけるプルトニウムの分離を無期限に停止するよう要請する書簡を送りました。日本は核兵器6000発分に相当する約48トンものプルトニウムを保有しながら、青森県の六ヶ所再処理工場でさらに使用済み燃料からプルトニウムを取り出そうとしています。

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2015年11月10日

11月6日シンポ「原発と核-4人の米識者と考える」発表資料

11月6日、米国から4人の専門家を招いて、「再処理により生ずるプルトニウムの核兵器への転用可能性、東アジア地域における安全保障の視点からの原発・再処理問題、核燃料サイクル政策の経済性や放射性廃棄物の管理について」意見を聞く会合が東京で開かれました。招かれたのは米核兵器研究所の核兵器設計者、元国防長官府不拡散政策担当次長、元ホワイトハウス「科学・技術政策局」国家安全保障担当次官、元原子力規制委員会委員。主催は「新外交イニシアティブ」です。各パネリストの発表資料を掲載します。

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2015年10月25日

米大統領補佐官、日本の再処理に懸念表明─北東アジアでの安全保障への脅威

 日米科学技術協力協定関連会議出席のため来日したジョン・ホルドレン米大統領補佐官(科学技術担当)が、六ヶ所再処理工場の運転開始計画に関し、「日本にはすでに相当量のプルトニウムの備蓄があり、これ以上増えないことが望ましい」と述べました。そして、「分離済みプルトニウムは核兵器に使うことができ、我々の基本的考え方は世界における再処理は多いよりは少ない方が良いというものだ」との考えを強調しました(10月12日朝日新聞、英文は13日)。

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2015年09月30日

『MOX利用に代わる道』プルトニウム処分問題報告書翻訳掲載

「核分裂性物質に関する国際パネル(IPFM)」の報告書『MOX利用に代わる道――分離済みプルトニウムの直接処分のオプション』の翻訳版を掲載しました。冷戦終焉に伴う核削減によっていらなくなったプルトニウムを軽水炉の燃料にする混合酸化物燃料(MOX)計画に失敗している米国。米国の余剰プルトニウムの量に匹敵する約50トンものプルトニウムを溜め込んだ日本。同様の問題を抱える英仏。このやっかいものをどう処分するのか。

来年3月にワシントンで開かれる核セキュリティー・サミットの課題を読み解く鍵がここにあります。合わせて読みたい関連書籍『徹底検証・使用済み核燃料再処理か乾式貯蔵か

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2015年09月29日

原発のプルトニウムで核兵器ができる──米核兵器研究所の科学者1976年の説明で

ロスアラモス国立研究所の応用理論物理部門のリーダーを務めたロバート・セルデンが1976年11月に開いた説明会で使った資料「原子炉級プルトニウムと核爆発装置」の原文及び翻訳を載せました。説明会は数カ国の原子力関係者及び国際原子力機関(IAEA)の代表等を対象に開かれたものです。翻訳したのは、セルデンが2009年5月の会議で使った同じ資料の注入りバージョンです。

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2015年09月24日

米元政府高官ら軍事用余剰プルトニウムの原子炉での処分計画中止を要請─日本の再処理計画中止にも

9月8日、対日政策に大きな影響力を持ち、駐日大使候補にもなったジョセフ・ナイ元国防次官補を含む14人の元エネルギー・国家安全保障関係米政府高官・専門家らが、米エネルギー省長官に対し、軍事用余剰プルトニウムを発電用原子炉のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料にして処分する計画を中止して別の処分方法を導入し、それによって、六ヶ所再処理工場の運転開始計画を延期するよう日本を説得する上で有利な立場に立つことを要請する書簡に署名しました。

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2015年07月30日

「原子炉級プルトニウム」と核兵器のまとめ

原発の使用済み燃料を再処理することによって得られる「原子炉級」プルトニウムで核兵器ができるという問題についての核情報掲載論文集リストを作成し、「核データ」の一項目として載せました。論文の中で紹介している重要文書からの抜粋も付けてあります。一部、重要英文文書を独立させて紹介しています。

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2015年07月29日

日米団体からオバマ大統領に被爆地訪問要請─核なき世界に向けた行動を

 米国の「憂慮する科学者同盟(UCS)」ほか著名な団体代表および個人(計12名)が7月10日にオバマ大統領に対し、今年の広島・長崎原爆記念日に両地を訪れ、核が二度と使われないようにしなければならないとの考えを再度表明すると共に、任期終了までに米国が取る具体的な措置について発表するよう呼びかける書簡を送付したのを受け、原水禁と原子力資料情報室は同13日、UCSの要請を支持するとの書簡を大統領に送付しました。日本側の書簡は、さらに、日本の団体として、唯一の役割(目的)政策等に反対しないように日本政府に要請すると約束すると共に、大統領に対して、

  1. プルトニウム及び高濃縮ウランをこれ以上蓄積しないように世界各国に呼びかけること、
  2. 既存の軍事用余剰・民生用プルトニウムの処分方法の開発のために日本政府その他と協力し合うプログラムを開始すること

を要請しました。

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2015年07月28日

2014年末の日本のプルトニウム47.8トンに─深まる謎

原子力委員会事務局は、7月21日の同委員会定例会議において、2014年末時点での日本の分離済みプルトニウムが前年の47.1トンから0.7トン増え、47.8トンになったと発表しました。0.7トンの増加は、「平成26年中に分離され、在庫として計上された」分であり、英国ではこれを含む「約20.7トンの分離プルトニウムが保管中であり、英国に再処理を委託した使用済燃料に含まれる、残り約1トンのプルトニウムについては、英・再処理工場が操業を終了する2018年頃までに分離・計上される予定である」とのことです。

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