- パトリオット・ミサイルとは?
- 改良型の経緯は?
- 迎撃方式は?
- PAC3の大きさは?
- 配備方式は?
- これまで行われたPAC3の実験は?
- 今後の実験計画は?
- PAC3の配備状況は?
- PAC3の主契約社は?
敵機の撃墜のために1960年代に開発が開始された地対空ミサイル
現在は、ミサイルと飛行機の両方を迎撃することが期待されている。
PAC2(パトリオット能力発展型第2段階)が湾岸戦争の際に、スカッド(射程600km)に対して役に立たなかったことで有名になった。
日本は、ミサイル防衛用にPAC3(パトリオット能力発展型第3段階)の導入を検討している。
- 最初の量産型パトリオットの配備 1984年
- PAC1(パトリオット能力発展型第1段階)配備 1988年
- PAC2(パトリオット能力発展型第2段階)配備 1991の湾岸戦争直前に配備
湾岸戦争での問題の解決を試みて2度改善
PAC2改良型
PAC2(GEM=誘導向上ミサイル) 配備 1995年
PAC2(GEM+) - PAC3(パトリオット能力発展型第3段階) ミサイル迎撃用に開発中。
(開発途中であるにもかかわらず、米国は少数実戦配備)
PAC2までは、近接信管方式といい、近くまで行って爆発して、その衝撃と破片で敵機やミサイルを破壊する。ミサイルの破壊のためには、数メートルまで接近する必要がある。
湾岸戦争の際には、PAC2の1部隊で半径15kmの地域をカバー。高度8-12kmの迎撃を試みた
PAC2(GEM)は、4倍の地域をカバーできると報じられている。
PAC3は、ミサイル本体も変え、弾頭部分が敵のミサイルに体当たりする方式。
(迎撃最高高度 30−35km)
長さ 5.2m
弾体直径 0.25m (PAC2は、0.41m)
発射機1基当たり装填数
PAC3だけだと 16基
PAC2だけだと 4基 (PAC3より大きいから)
標準型PAC3中隊当たり 発射機2基
PAC2とPAC3の両方を配備する混合配備
PAC3 32基
PAC2 24基
(カバーできる面積は、湾岸戦争の際の10倍以上:ルイス)
- 開発迎撃実験
10件中9件成功(ミサイルの迎撃は、6件中5件成功。) - 運用実験 結果
2002年2月16日 | 第1回迎撃実験 | 失敗 (巡航ミサイルに見立てた無人機の迎撃実験) |
2002年3月21日 | 第2回迎撃実験 | 1基命中、もう1基は、発射失敗 |
2002年4月25日 | 第3回迎撃実験 | 1基は「命中」したが「敵ミサイル」の破壊に失敗。もう1基は、発射失敗。 |
2002年5月30日 | 第4回迎撃実験 | 1基は命中。もう1基は、発射失敗。 |
当初計画では、これらの実験の実験に基づき、2002年9月には少数生産計画の決定ができると期待されていた。最後の実験の失敗のあと、実験結果が悪すぎるので、国防省は、少数生産計画の決定を少なくとも1年は延期と発表。
ところが、2002年10月31日、「ミサイル防衛庁(MDA)」のケイディッシュ長官は、PAC3は、「有用な軍事システム」だとし、「予算の余裕のある限りできるだけ早く」購入することを提言した。
2003会計年度 1回 (2003年5月)
2004会計年度 5回
2005会計年度 12回
2006会計年度以後 5回
2002年10月末現在 38基陸軍に
2002年12月末までにさらに15基配備予定。
2003会計年度末(2003年9月末)までに、さらに100基を購入予定。
陸軍は2200基保有を計画。
[出典:米国のNGOアームズ・コントロール・アソシエーションのホームページ(2002年12月作成)、防衛情報センター(CDI)のホームページ、ジョージ・ルイスのOHP資料他]