核情報

2004.3.31

六者協議を控えて─韓国の市民・社会団体の共同声明

2004年2月23日

『韓半島[朝鮮半島]の危機を解消するための前進した六者協議を期待する』

2月25日より中国・北京で第二回六者協議が開かれる。困難な再開となった六者協議への期待と懸念が交錯している今、われわれは今回の会談が韓半島の危機を解消することのできる重大なターニングポイントとなることを切に望んでいる。

何よりも、われわれは今回の会談を含む六者協議が、単に北朝鮮の核問題の平和的解決に止まらず、韓半島の冷戦構造を解体して北東アジアの不安定さを解消するきっかけになるべきと信じている。

2002年10月に北朝鮮の核問題が浮上した後、韓半島の危機的な状況を打開するための外交的な努力は、米朝間の不信感ゆえ解決の糸口を見つけることができなかった。核問題をめぐる米朝間の長い膠着状態は韓半島の緊張を高め、それは韓国の国民に大きな不安感を与えた。特に、昨年の年末、アメリカの誠実さの欠ける交渉姿勢のために年内の会談開催の可能性がなくなり、その結果、韓半島の危機の解消への期待と見込みはさらに不透明となった。このような状況の下、韓半島の危機の当事者であると同時に北朝鮮とアメリカを積極的に説得することのできる立場にある韓国政府は、「韓米共助」というフレームに閉じ込められて核問題の平和的解決のための主導的な役割を果たせずにいる。

しかし、われわれはこの一年間に核問題をめぐる米朝対立が新たな局面に突入したことに注目したい。

北朝鮮は、米朝間の不可侵条約の締結の優先という立場から、自国の核凍結と同時にそれに相応する措置を要求する、いわゆる「同時行動原則」を提案するなど前進した交渉姿勢を見せている。また、核の抑止力を強調しながらも、交渉による最終的な核廃棄の意思を表明している。その反面、アメリカは北朝鮮の核廃棄の優先を繰り返しながら「完全かつ検証可能で、不可逆的な方法」で核計画を廃棄することを主張しており、交渉可能な具体的な方案を提案していない。むしろ、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)の拡大や北朝鮮自由化法案の推進などによって対北朝鮮圧力政策の水位を高めている。しかも、アメリカは六者協議を前にして、実体の確かではない高濃縮ウラン計画(HEUP)を問題解決の前提条件として提示しており、核問題の平和的解決への意思があるかどうかが疑問である。

はっきりしていることは、今回の会談が意味のある成果を生むことができない場合、核問題をめぐる米朝の対立は極限に至り、韓半島の危機的状況は一層悪化するであろうということだ。そのため、アメリカと北朝鮮は今回の会談で核問題の解決のための実質的な足場をつくり、韓半島の危機の解消への確固たる意志を見せなければならない。また、会談参加国も今度の会談で韓半島の危機の解消のための妥協点を見出せるよう、積極的に仲裁者の役割を果たすべきである。

ここで、われわれは次のように、六者協議に対する立場を明確にする。

平和ネットワーク・参与連帯平和軍縮センタ・平和を作る女性の会・民主労総・農民会総連盟・民主労働党・環境運動連合・韓国女性団体連合・韓国大学学生会連合などを含む、総60個の団体

* 訳: 薦田真由美(韓国、高麗大学大学院博士課程) 
李俊揆(イ・ジュンギュ、平和ネットワーク運営委員)

 


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