地下でのものも含め核実験を全面的に禁止する条約。
1996年に締結されたCTBT(署名国178、批准国144)は、核保有国の新たな核開発に歯止めをかけると同時に核拡散を防ぐうえで重要な条約と見なされている。この条約の発効には高度な原子力技術を持つ44ヶ国の署名・批准が必要。2008年1月19日にこの発効要件国のコロンビアが批准して、批准国は35ヶ国に。残りの発効要件国9ヶ国のうち、未署名は、北朝鮮、インド、パキスタンの三ヶ国。発効要件国のうち、署名はしていながら未批准となっているのは、中国、エジプト、インドネシア、イラン、イスラエル、米国の六ヶ国(英仏ロは批准済み)。
クリントン政権は、1995年のNPT再検討・延長会議でNPTの無期限延長を確保するためということもあって、CTBTの締結に力を注いだ。NPTの前文には、「1963年の大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する条約の締約国が、同条約前文において、核兵器のすべての実験的爆発の永久的停止の達成を求め及びそのために交渉を継続する決意を表明したことを想起し」とある。
ところが、上院が1999年10月に批准を拒否。ブッシュ政権下では批准の可能性は全くなかった。オバマ新政権下で批准となるかどうか。非核兵器国やNGOの要求に従う形でCTBTの締結を推進した米国自身が未批准状態では、条約発効促進の望みはない。
参考
- 包括的核実験禁止条約(CTBT)概説・発効促進会議情報など 外務省
- CTBT批准状況 外務省
- CTBTO 外務省
- コロンビアがCTBT批准──米印は? 核情報
- 成立に向けて 『月刊社会民主』1996年4月号掲載論文
- 国内法 ◎核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律