ハンス・クリステンセン
訳・解説 田窪雅文
Hans M. Kristensen
デンマーク出身。「米国科学者連合(FAS)」の「核情報プロジェクト」ディレクター
岩波書店『世界』2009年12月号(11月8日発売)掲載
共同通信の太田昌克を初めとするジャーナリストや日米の勤勉な研究者らが長年に渡って、日米の核外交の秘密の歴史のドアをこじ開けようとたゆまぬ努力を続けてきたおかげで、日本の新政権は、歴代政権が、核兵器を領域内におくことを禁じた公式の方針にも関わらず、日本の領域に核を搭載した艦船や航空機が入ることを許可する秘密の取り決めを米国との間で結んできたか否かについての調査を始めた。
外務省によると、北野充大臣官房審議官をヘッドとする15人の調査チームが、「いわゆる『密約』に関連する過去の事実関係を明らかにすべく」数千のファイルを精査するという。調査は11月末までに終わる予定である。共同通信によると、岡田外相は、最近、ニューヨークで記者らに、分かったことはすべて公開すると語っている。
核の密約を暴露することは日米関係を損ない、日本政府の信頼性を低下させると主張する者もあるだろう。私は、それはまったく逆の効果を持つと考える。日米関係を傷つけ、日本政府の信頼性を低下させるものがあるとすれば、それは、核についての取り決めを隠蔽したこと、そして、歴代政権が誰の目にも明らかなことをあまりにも長い間否定し続けたことだろう。冷戦の時代の違反を清算することは、日米の安全保障協力がそれを超えて先に進むのに役立つだろう。
デンマークの前例
日本の状況は、10年ほど前に私自身が関わったケースに似ている。冷戦時代における米国とデンマークの間の核関係、そして、グリーンランドへの米国の核配備に関するものである。
グリーンランドは、デンマークの領土とみなされていて、デンマークの領域内(陸・海・領空)に核兵器を入れることを禁止する方針の対象となる。この方針は、法律ではないが、1957年に最初に発表されて以来、次第に明確なものとなって行った。冷戦時代を通じて、デンマークの歴代政権は、この政策は米国側によく知られており、それが破られていると疑う理由は無いと主張し続けた。1968年1月に4個の水爆を積んだ爆撃機がグリーンランド北部のツーレ空軍基地の近くに墜落し、一ヶ月に渡る放射能汚染除去作業が必要になった後でさえ、デンマーク政府は、違反はなかった、爆撃機は非常事態措置としてデンマーク領空に入っただけだと主張した。しかし、日本の場合と同じく、米国の文書の機密解除や、元政府関係者の証言で、次第に、公式な立場に疑義が生じることになっていった。
1960年代に「空中警戒態勢プログラム」の一環として米国の核搭載爆撃機がグリーンランド上空を日常的に飛んでいたことを説明する米国の文書(機密解除されたもの)を、1993年に私がデンマーク政府に示した後、デンマーク政府は、領空飛行があったことを認めた。そして、ある秘密書簡の存在を明らかにした。1958年のその書簡の中で、デンマークの首相が、米国によるグリーランドへの核兵器の持ち込みについて──許可したというのでないとしても──反対しなかったのである。政府は、議会に提出した1995年の報告書でつぎのように結論づけた。デンマーク側がこのような暗黙の了解を与えたのだから、グリーンランド上空に核兵器を展開した際、米国は誠実に行動していたのだ。しかし、核兵器は陸上には配備されなかった。そう政府は主張した。
ところが、そのわずか数週間後、米国政府は、デンマーク政府に対して、実を言うと核兵器は陸上にも配備されたことが二度あると告げた。1958年に19個の核爆弾(4個には、プルトニウムの「芯」が挿入されていた)が、1959年~1965年に48発の核搭載対空ミサイルが配備されていた。米国政府は、この情報は秘密であり、デンマークがこれを公表した場合は、米国側としては、情報の信憑性について肯定も否定もしないと警告した。この情報「及び他国にも関わる関連情報は、米国の外交関係に重大な影響を与える可能性がある」と米国政府は述べた。非核政策が破られている日本や他の国々について言及したものである。
しかし、デンマーク政府は、これをあえて公表することにした。そして、それによる面目の失墜や、巻き起こった議論などのため、政府は、半公式の調査をせざるを得なくなった。1997年に発表された最終報告は、核搭載機の上空飛行や陸上の核配備を確認した。そして、米国とデンマークのトップレベルのやりとりで、デンマークの政府関係者が、核兵器の持ち込みに目をつむった状況を説明した。両国でなされた外交的な取り決めは、デンマークが二つの核政策を持っていたことを意味していた。核兵器を禁止した表向きの政策と、核兵器を受け入れた秘密の政策との二つである。これは、デンマークがNATOの一員であることから来る義務ではなくて、米国とデンマークとの間の二国間の取り決めによるものだった。
残念ながら、調査委員らは、1968年の墜落事故以後の時期の検証を許されなかった。とりわけ重要なのは、核搭載艦船の寄港の問題だった。核搭載機の領空飛行は、1968年の事故の翌日に中止となり、グリーンランドの防衛に関する米国とデンマークの二国間取り決めに項目が追加され、核兵器の陸上と領空の配備が明示的に禁止されたのだが、調査報告書は、この外交的「解決」が艦船の寄港問題に触れていないことに言及していない。この「割愛」は、デンマークの公式の核の禁止にも関わらず、デンマークの港に核搭載艦船を送り込み続けることにつきデンマークが米国に対して暗黙裏に承認するという外交的「了解」を意味した。
この慣行は、世論・外交関係における頭痛の種となり続け──1988年には核搭載艦船の寄港問題を巡って総選挙[入港する艦船の船長に非核政策を通告すべきとの国会決議案を巡る解散総選挙。国民は明快な審判を下さず、決議案賛成派は議席を減らしたが、少数与党状態は解消されなかった]が実施されてさえいる──それは、1991年にジョージ・H・W・ブッシュ(父)大統領が、米国海軍に対し、その水上艦船からのすべての核兵器の撤去を命令するまで続いた。
持ち込みを不要とする太平洋核配備の現状──三原則堅持は可能
1992年に最後の核兵器が水上艦船及び攻撃原潜から撤去されて以来、米国の核兵器は日本の港に入っていない。水上艦船は、すべて、1994年に非核化された。太平洋艦隊の核能力として残っているのは、トマホーク陸地攻撃核ミサイル(TLAM/N)約120発である。これらのミサイルは、17年間貯蔵されたままになっており、現在まだ搭載能力をもつ数隻の攻撃原潜に配備するには、何ヶ月もかかる。米国海軍は、TLAM/Nを望んでおらず、同ミサイル用の核弾頭W80 –0の寿命を延ばす計画はない。
太平洋における今日の米国の核態勢は、ほとんどが長距離弾道ミサイルと爆撃機だけによるものである。約500発の核弾頭が、毎日、5~6隻の弾道ミサイル潜水艦に配備されている。状況によって、北朝鮮、中国、そしてロシア東部の目標に対して使用するためのものである。約200発の核弾頭が、高度な警戒態勢に置かれていて、命令が出てから12分以内に発射できるようになっている。残りの300発は、射程内に短時間で移動できる態勢にあり、必要となればさらに700発の予備の弾頭を潜水艦に追加できる。
この海洋の戦力に加え、米国に配備されている450基のミニットマン3大陸間弾道弾(ICBM)に搭載されている500発の核弾頭がロシアを標的としている。また、核爆弾や巡航ミサイルを搭載するB-2やB-52H爆撃機も、弾道ミサイルのバックアップを提供している。空軍は、2000年に、爆撃機のグアムへの前方展開を時折行い始めた。そして、2004年からは、継続的に前方展開を行っている。
最後に、ノース・カロライナ州のシーモア・ジョンソン空軍基地の第四戦闘航空団所属のF-15Eも、必要となれば、太平洋地域の基地に前方展開する非常事態ミッションを持っている。例えば、1998年に、この戦闘航空団は、米国の東海岸沖の演習において、北朝鮮に対する核攻撃のシミュレーションを行っている。このような前方展開用の「太平洋地域の基地」として、在日米軍基地が使われることはないだろう──日本では核問題が政治的にセンシティブだし、太平洋地域には他の施設があるからである。
このような状況や、日本への配備に頼らない広範な核能力から言って、核の傘が日本に核兵器を再導入するオプションの維持を必要とするという一部の政府関係者の主張は、根拠が薄弱である。
日本の秘密の核「欲しいものリスト」──新たな密約へ?
過去の核密約が日本の三つめの非核原則(持ち込ませない)を破ったか否かに関する日本政府の調査が進行するその一方で、日本の政府関係者の一部が日本の公式の非核核政策と矛盾したり、これを弱体化したりする「核能力」を最近米国で提唱したことが明らかになりつつある。
「米国の戦略態勢に関する議会委員会」の最終報告書が、最近、「アジアにおける米国の同盟国の一部は、TLAM/Nの退役について非常に心配するだろう」と述べている。このセンテンスは、日本について述べたものである。しかし、日本の政府関係者がTLAM/Nの維持を主張するのは、日本の三つ目の非核原則に矛盾するものである。なぜなら、これは、日本の港を頻繁に訪れる攻撃原潜に核兵器を配備する可能性を承認するものだからである。もしこれらの政府関係者が、日本の三つ目の非核原則を守ろうとするのであれば、TLAM/Nの退役を提唱するはずである。
さらに、日本政府は、公式には、核廃絶を提唱し、「冷戦思考に終止符を打ち・・・我が国の安全保障政策における核兵器の役割を低減する」とのオバマ大統領の約束を支持しているが、日本政府関係者は、秘密裏に米国政府に対し冷戦時代の核能力を維持するよう要請している。米国の情報によると、日本政府関係者が、米国議会戦略態勢委員会に対し、太平洋における米国の核能力について次のような「欲しいものリスト」を入れたペーパーを提示したとのことである。
- 信頼性 近代化された核弾頭を含め、信頼性を持つ戦力
- 柔軟性 様々なターゲットをリスクに曝す能力
- 対応性 非常事態に迅速に対応する能力
- ステルス性 戦略原潜及び攻撃原潜の配備
- 可視性 B2/B52のグアムへの配備
- 十分性 潜在的敵国を思いとどまらせる
この「欲しいものリスト」は、冷戦型核能力の範囲全体に及ぶものであり、核戦力を警戒態勢に置き、核弾頭を近代化すること、さらには、低威力の核兵器の使用の可能性をも提唱しているように見える。
これらの日本政府関係者の名前は不明である。ただ、議会委員会の最終報告書は、ワシントンの日本大使館の次の4人の名前を「協議」に関わった人物のリストに挙げている。
- 秋葉剛男公使 日本大使館政務班長 2009年
- 石井正文公使 日本大使館政務班長 2008年
- 飯島英俊 日本大使館政務班一等書記官
- 金井正彰 日本大使館政務班一等書記官
これらの大使館員らがTLAM/Nや冷戦型核能力の維持を提唱した人々なのか、あるいは、単に東京の上層部の見解を伝えていただけなのかは分からない。しかし、彼らは、ワシントンにおける議論に幾分かの影響を与え、ワシントンの一部の人々により、オバマ政権の核政策に対する国際的支持について疑問を広めるのに使われている。
核の役割の限定に反対する日本
問題は、核削減に対する抵抗だけではない。一部の日本政府関係者は、核兵器の役割を──おそらくは今進められている「核態勢の見直し(NPR)」の結果として──減らそうというオバマ政権の計画にも異論を唱えている。核兵器全廃の最終的目標よりも、日本の関心は、米国が核兵器の役割を他国による核兵器の使用の抑止に限定し、化学・生物兵器による攻撃の抑止には核戦力を使わないとの政策を採用する可能性に向けられているようである。
日本政府関係者の中には、北朝鮮の化学・生物兵器能力についての心配から、核の役割を限定することについて不安を持つものがいるようである。役割が限定されると、北朝鮮は、このような兵器で日本を攻撃する可能性が高まると想定されているようである。しかし、米国とその太平洋の同盟国が北朝鮮に対して持っている圧倒的で実証された通常兵器能力から言って、なぜ核の役割の限定がそのようなマイナスの影響を持つことになるとされているのか不明である。
さらに、化学兵器の攻撃は、真の「大量破壊兵器」攻撃を成すほどには深刻なものとはならないし、また、生物兵器の攻撃は、それが起きた場合には、探知するのが難しく、どの敵から来ているのか特定するのが難しいことから、米国軍部の多くの者は、核兵器を、化学・生物兵器のシナリオにおいてそれほど役に立つものとは見ていない。核による報復は──そしてこれらの攻撃を未然に阻止する目的の先制攻撃の場合は間違いなく──オーバーキルと見なされる可能性があり、米国とその同盟国は、国際社会の目には「攻撃者」と映ることになる。通常兵器の方が、地域的シナリオにはずっと適切であり、抑止用の威嚇として信憑性がある。
ここで化学・生物兵器の攻撃に対する使用という核の役割を取り除くことは先制不使用政策とは同じではないことを認識することが重要である。化学・生物兵器に対する核使用は、先制使用[ファースト・ユース=先に核を使うこと]を意味するが、核兵器の役割を他国の核兵器の使用を抑止することに限定する政策をとったとしても、相手の戦力の破壊に焦点を合わせたカウンターフォース(対戦力)核戦略が維持される限り、先制使用を必要とする攻撃オプションはなくならない。対戦力に焦点を合わせた核戦略は、敵の核戦力が使われる前にこれを破壊しようとしがちだからである。そして、核保有国は、このような態勢をとる敵国を前にした場合、自国の核戦力を瞬時に発射できる高度な警戒態勢に置こうとする。核兵器を狙った敵の「第一撃(ファーストストライク)」で自国の核戦力が破壊されてしまうのを避けるためである。
日本政府関係者が考えているもう一つの核の役割は、日本に対する中国の通常兵器による攻撃の抑止である。米軍内では、中国の通常兵器の近代化が日本を特に対象としていると考える者はほとんどいないが、中国は通常弾頭を搭載した中距離弾道ミサイルの強化を図っている。たしかに、これらは、日本にある米軍基地を攻撃するのに使いうるものであるが、日本の国家としての生存に対する脅威ではないから、通常兵器による攻撃の抑止は、通常兵器のみの役割とすべきである。何と言っても、通常弾頭のミサイルの攻撃に対して、核で報復しようとするのは、均衡を欠くものであり、戦争をさらにエスカレートさせることになる可能性が高い。これは日本のためにならないだろう。
それに、中国の核の近代化は、日本を対象としたものではなく、他の核保有国を対象としたものである。現在の中国の核戦力の近代化は、国内的な理由を別とすれば、一つには、米国が太平洋にトライデント潜水艦発射の弾道核ミサイルを配備していることに起因する。[高度な精度と大きな破壊力を備えた]これらのミサイルは、中国の報復用の核能力のサバイバビリティー(生き残りの可能性)を脅かすことのできるものである。これに対処しようとする中国の核戦力近代化[移動式核弾道ミサイル増強や多弾頭化の可能性]は、米国及びその同盟国にとって深刻な問題となっており、これに対処するための措置が講じられつつある。そして、これに対して、中国がまたさらなる核開発をすることになるだろう。
日本にとって、この軍事的「近代化」、それに応じる「対近代化」という悪循環を絶つことが重要である。地域における核兵器の役割を限定することは、このような努力の重要な構成要素となるだろう。最初の一歩は、化学・生物兵器に対する核の役割を除去することかもしれない。しかし、将来、さらに大幅な削減に向けて進む準備をするに当たっては、核のカウンターフォース(対戦力)ミッション自体を問題にすることが必要となるだろう。
結論と勧告
冷戦時代において米国との間に結ばれた「核密約」に関する日本とデンマークの調査の間には、重要な類似点がある。このような問題に関する調査は、関係を悪くし、同盟を弱体化すると主張する者があるだろうが、デンマークのケースは、正反対のことが真実であることを示している。有害なのは、公式な政策と矛盾する密約の存在を否定することである。
どちらのケースも──日本の調査が完了する前においてさえ──核外交は、単に核保有国が非核保有国の政策に違反するという問題を持つだけでなく、非核兵器国の政府が核兵器の名の下に自国の国民を騙すほどにまで進んで核兵器国に協力する意志を持つことを意味する、ということを示している。
核兵器が非常に危険な理由の一つはここにある。極めて強力で、非常に多くを約束するものであるがために、核兵器は、政府に道を誤らせ、シビリアン・コントロールと政府の説明責任という政府が守るべき民主主義の柱そのものに違反するまでに到らせるのである。
本稿で指摘したように、秘密の取り引きは、冷戦時代の一つの特徴だったというだけではなく、日本の公式の核政策に矛盾する形で続いているようである。
TLAM/Nと太平洋における冷戦型核能力の維持を秘密裏に提唱している日本政府関係者は、米国の核態勢全般、とりわけ核の傘について理解しているのだろうか。日本政府は、核計画について米国からあまり相談を受けていない。米国の政府関係者の中には、日本の政府関係者は米国・NATOの冷戦時の核戦略について聞いたことをそのままコピーし、それを2001年のブッシュ政権の「核態勢の見直し」のリークされた部分と混ぜ合わせているだけに過ぎないのかもしれないと言う者もいる。
この問題を解決するには、米国と日本の間の協議プロセスを改善し、日米の間で、互いの政策について誤解が生じないようにすることが重要である。しかし、この改善されたプロセスが、日本の公式の核政策と矛盾する新たな密約をもたらすことを防ぐには、将来この問題を扱う日本政府関係者が、外部から隔離された官僚の小集団とならないようにすることが不可欠である。協議は、公開の民主主義的な議論の一環とならなければならない。
[訳者解説] 岡田外相は、就任翌日10月17日、密約問題が「外交に対する国民の不信感を高めている」として11月末を目処に問題を調査・報告するよう外務省に命じた。
四つの密約のうち二つが、核搭載艦船の通航・寄港の容認と有事の際の沖縄への再持ち込みに関連するものだ。1992年以来、米海軍の水上艦船・攻撃原潜には核は搭載されておらず、戦略原潜は日本に寄港しないから寄港問題はなくなっている。筆者は、太平洋の核配備状況を詳説し、在日米軍基地に核を持ち込む必要も米軍側にはないと説明する。
だが密約の土壌はなくなっていない。核付きトマホークを日本に頻繁に寄港する攻撃原潜に載せるよう日本側が要請していると米議会報告書が示唆している。外相は、持ち込ませないの原則の放棄か新たな密約かを必然化するこの秘密要請についても調査を命じるべきだ。要請が、年末を期限とするオバマ政権の「核態勢の見直し」に影響を与えていると言うからなおさらだ。「見直し」過程では核の役割を他国の核攻撃の抑止に限定することも検討されているが、核以外の攻撃も核報復の脅しで抑止することを望み、「役割限定策」採用に反対してきた日本の歴代政権の政策が悪影響を与えている。米側の軍事的必要はともかく、この政策をとりながら絶対持ち込むなと米国に言える立場にはない。日本は、非核三原則と矛盾する政策を公式に撤回したことを米国に伝え、密約の土壌を除去すべきだ。先制不使用支持を持論とする外相ならそれができる。(たくぼ・まさふみ 「核情報」主宰)