韓国の再処理と日本の再処理政策

使い道のない核兵器利用可能物質を分離し続けてきた日本の再処理計画は、韓国の再処理計画にも影響を与えます。韓国は、2014年に期限切れを迎える米韓原子力協力協定の改定交渉の中で、1988年日米協定における一括事前承認と同じような形で韓国にも再処理を認めるよう要求しています。米国はこれに抵抗していますが、日本にだけなぜ再処理を許すのかとの韓国の問いに答えるのは難しいことです。日本がヨーロッパの国々のように自ら再処理を放棄すれば、韓国はその最大の論拠を失うことになります。2014年の米韓協定改定に向けた動きに焦点を当てるために韓国の再処理に関するページを特設しました。

現行協定の2014年の期限切れを前に合意に達することができなかった両国は、期限を二年間延長することを決め、交渉を続けました。

2015年4月22日に仮調印、6月15日に正式調印された新協定は、韓国が開発を目指している乾式再処理（パイロプロセシング）の全工程の内、軽水炉の酸化物燃料を金属形態にする電解還元まで認めるが、プルトニウムを分離する工程については米国の合意が必要という内容となりました。米国議会での反対がなければ2016年始めまでに発効すると見られています。なお、新協定は、韓国がその使用済み燃料を海外で再処理することを認めていますが、韓国内ではこの権利を行使することについての関心は薄いようです。

日本は再処理放棄を

日本は再処理放棄を　フランク・フォンヒッペル　田窪雅文　長崎新聞（共同通信配信）2012年7月15日（右に表示⇒）
　南日本新聞（共同通信配信）記事
日本の例は他国の再処理の口実に
六ヶ所再処理工場を国際化出来る？
韓国、米国との新しい原子力協力協定において、再処理の事前了解を主張
朝鮮半島の非核化に向けて
米国と韓国の再処理論争　フランク・フォンヒッペルプリンストン大学　2009年7月30日
各国の現在の再処理政策

韓国が研究中のパイロプロセシング（高温再処理＝乾式再処理）

新聞報道

韓国、核燃料再処理に意欲　主要メディア報道
(朝鮮日報日本語版)【社説】大統領選候補者は「原子力による国益確保」を考えよ
朝鮮日報日本語版　7月24日(火)9時43分配信
韓米原子力協定改定の解決策あるだろう＝米調整官　聯合ニュース　2012/07/24
「使用済み核燃料の再処理必要」＝韓国原発運営会社　[聯合ニュース]　2012年07月24日09時28分
核燃料を再処理できない原発強国・韓国　[中央日報/中央日報日本語版]　2012年07月23日08時19分
韓米原子力協定改正交渉　年内妥結厳しい＝米専門家　[聯合ニュース]2012年05月24日

リンク集

日本

韓国の原子力発電所　ウィキペディア
韓国の原子力発電　アトミカ
【韓国】原子力安全委員会の独立国会図書館　海外立法情報課・藤原夏人
米韓原子力協力協定　日本原子力研究開発機構（日本原子力研究開発機構　核物質管理科学技術推進部　核不拡散動向より）
報告：米韓原子力協力協定について　日本原子力研究開発機構　核不拡散ニュース　No.0130 2009-10/30
日本原子力開発機構　核物質管理科学技術推進部
第二回核不拡散科学技術フォーラム開催開催報告　（2012-02/28)
第一回核不拡散科学技術フォーラム開催報告　平成23年8月23日
日米両国の最近の動向と日米原子力協力協定の改定への影響について（PDF）2011年8月23日

核情報