核情報

2014. 7.31〜

徹底検証・使用済み核燃料 再処理か乾式貯蔵か:
最終処分への道を世界の経験から探る

徹底検証・使用済み核燃料 再処理か乾式貯蔵か: 最終処分への道を世界の経験から探る
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フランク・フォンヒッペル + 国際核分裂性物質パネル (編集), 田窪 雅文 (翻訳) 合同出版

「核分裂性物資に関する国際パネル(IPFM)」が2011年9月に発刊したManaging Spent Fuel from Nuclear Power Reactors--Experience and Lessons from Around the Worldの全訳に、同じくIPFMが2013年11月に発刊したEnding reprocessing in Japan: An alternative approach to managing Japan's spent nuclear fuel and separated plutoniumという日本の再処理政策に関する提言の短縮翻訳版を第3部として付け加えたものです(訳文では各章の著者による改訂を反映させると同時に、一部[ ]に入れて訳注的に情報を追加)。

原題を直訳すると「発電用原子炉の使用済み燃料の管理」となります。下の図に簡略化して示したとおり、管理の選択肢は、原子炉から取り出された使用済み燃料を再処理工場に送るか、発電所の敷地内外で中間貯蔵するかの2つ。最終「目的地」は処分場です。


日本は、2014年3月の核セキュリティー・サミットで出した日米共同声明で「プルトニウムの最小化」を世界に呼びかけながら、六ヶ所再処理工場を動かして消費の目処も立たないプルトニウムの更なる分離を進めようとしています。日本はなぜ止まれないのか。各国はなぜ再処理を始めたのか。なぜ始めなかったのか。なぜ放棄したのか。高速増殖炉とは? プルトニウムは財産か負債か。英国は溜まってしまった100トンものプルトニウムをどうするのか。日本は? 再処理で核のゴミは減るのか。非再処理国は使用済み燃料をどう保管しているのか。各国の処分場計画は進んでいるのか。処分地選定過程でどのような経験をしてきたのか。技術的な課題は?使用済み燃料に関連したこれらのさまざまな問題について考え、議論する上で本書がその一助となることを期待しています。

早期完成目指す六ケ所再処理工場 「大義なき稼働」いいのか 毎日新聞 9月18日
毎日新聞 9月18日

毎日新聞 9月18日

詳しくは本書を書店あるいは図書館で手にとってご覧下さい。

参考記事



「今週の本棚」で紹介されました

毎日新聞の「今週の本棚」で紹介されました。記事から引用させて頂きます。

 小泉純一郎元首相が脱原発に転じた契機は、海外で核のごみ(高レベル放射性廃棄物)問題に接したためという。核のごみが詰まった使用済み核燃料を処分するため、主要10カ国が技術開発や処分場選定に向けた政策でどのように試行錯誤を重ねてきたかが専門家の手で明かされる。

 処分への道は大きく二つ。日本の方針は、再処理してプルトニウムを取り出した後に、高レベル放射性廃棄物を固化して最終処分する方法だ。この“再処理法”に見切りを付けたのが米国や北欧などで、一定期間「中間貯蔵」した後にそのまま最終処分する“直接処分法”を採る。

 主著者のフォンヒッペル・米プリンストン大名誉教授は、核兵器の材料になるプルトニウムが核拡散の原因になると米政府に再処理の放棄を説き、米露の核軍縮にも尽力した人だ。各国の実情から、再処理は当初の予想に反してコスト高で、核のごみ処分も容易にせず、プルトニウムは厄介者扱いされていることが浮かび上がる。終章は日本への政策提言にあて、当面の貯蔵場所として、空冷式の乾式中間貯蔵施設が安全面などで優位であると説く。

再処理中止し乾式貯蔵を 長崎新聞
長崎新聞 2014年10月7日

再処理中止し乾式貯蔵を 長崎新聞 2014年10月7日

長崎新聞にも書評が掲載されました

  • 「使用済み核燃料─」刊行 専門家グループ提言 再処理中止し乾式貯蔵を 長崎新聞 2014年10月7日(右に切り抜き)

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