53.先に使うは御法度となぜ言えぬのか外務省──廃絶唱えるその陰で(05/28 14:15)


核問題委員会エバンズ共同議長の残していった宿題

ギャレス・エバンズ(Gareth Evans)元豪州外務大臣に日本語ができたとしたら、こんな歌?を詠んで東京を後にしたのではないだろうか。日豪共同イニシアティブ「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)の共同議長を務めるエバンズ氏が5月27日、各政党関係者やNGOとの話し合いで一番強調していたのはこのことだった。

核廃絶を唱える一方で核兵器が大好きだと言っていたのでは、世界からまともに相手にされない 。核兵器以外の兵器──生物・化学兵器、それに通常兵器──による攻撃に対しても核兵器で守って欲しいと米国に望む政策をとりながら、核廃絶を唱えるというのは根本的に矛盾している。米国の拡大抑止力に頼るのは良い。だがその抑止力の傘は、二つに分けて考えるべきだ。核での攻撃には核の傘。核以外の攻撃には通常兵器の傘。核攻撃があれば核で報復すると警告することで核攻撃を抑止する。核以外の攻撃に対しては通常兵器による報復の警告で抑止する。このように傘を二つに区別し、核の傘は核に対するものだけにするということだ。これができなければ、核廃絶への道は進みようがない。核が日本にとってそんなに良いものなら、自分たちが持ってなぜ悪いという国が出てくる。この問いには答えようがない。委員会の大半のメンバーは、核兵器がなくなるまでの間は、核の唯一の役割は、他国による核攻撃を抑止することだけに限ると核兵器国が宣言することが核廃絶への第一歩だと考えている。つまり、日豪の同盟国である米国が、核を先には使わないとの政策を宣言し、その政策に合わせて核態勢を構築しなおすべきだと言うことだ。ところが、日本政府はこれに反対している。これが、エバンズ氏の発言の趣旨だ。

川崎哲(ICNND・NGOアドバイザー/ピースボート共同代表)やICNND日本NGO連絡会の働きかけで26日夕刻台北から東京に到着したエバンズ氏は、27日、早朝から慌ただしい日程を精力的にこなし、この主張を繰り返した。そして夕方には、日本の政策変更が核廃絶の鍵だとのメッセージを残して、福岡に向けて発っていった。日本の政策を変えよとの宿題を日本の反核運動に出したとも言える。10月には、ICNNDの最終会合が広島で開かれる。そのときまでに、日本の反核運動は、宿題を果たしていられるだろうか。

参考:記事切り抜き


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